Q0210 のバックアップ(No.1)


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問題

『ガールズ&パンツァー』第10話、戦車が鉄道で運ばれていくが、現実の大洗からこのような鉄道輸送はできない。理由は?①危険な弾薬は積めない;②戦車が重すぎる;③戦車が大きすぎる;④揺れで砲が狂う;⑤大洗に鉄道はない

正解

正解は ③戦車が大きすぎる です。

解説

  1. 実際に鉄道貨物で火薬類の輸送は行われています。そのための手続きなどもしっかり規定されています。
  2. 確かに重い戦車もあるのですが、重量物向けに設計された貨車を使えば数百トン程度までは輸送可能です。
  3. これが正解で、大洗の戦車の中には、JR在来線で通行できる横幅を超えた車両があります。詳細は下記で。
  4. 仮に輸送中に狂うとしても、野戦が長引けばそれによってさらに狂い、再度補正が必要になります。1960年代までは国鉄貨物で陸上自衛隊の戦車を輸送することが想定されていました(後述)ので、この心配は杞憂です。
  5. さすがにそれはありません。仮に鹿島臨海鉄道が存在しなかったとしても、水戸駅の貨物ターミナルまで自走すれば貨車に載せられます。

詳細

JR・旧国鉄の在来線は、横幅3メートル弱の車両を走らせることを前提に設計されています。そのため、在来線の線路に新幹線車両を直通させた山形・秋田新幹線では、電気系統などは新幹線の仕様を採用しましたが、車両の寸法に関しては、フル規格新幹線(横幅3.5メートル)より一回り小さい在来線サイズで作られています。乗降口に踏板があるのも、フル規格新幹線とミニ新幹線との車両幅の違いが理由です。

さて、大洗チームの中でいちばん大きいポルシェティーガー VK4501(P) は、作中の設定では横幅3.38メートルとなっています(→公式サイト)。大洗から決勝戦の舞台・東富士演習場(最寄りの旅客駅は御殿場のようです)まで貨物列車を運ぶためには、水戸折り返し常磐線ルートにせよ鹿島神宮経由成田線ルートにせよ、JRの在来線を通すことが必須ですから、強引に運ぼうとしたら、ポルシェティーガーだけいちど分解してから輸送し、その後に組み立て直すことになりますが、作中の映像ではそのような様子はありません。

ちなみに、実際の陸上自衛隊では、61式戦車では国鉄の利用を想定して横幅2.95メートルとなっています(重量に関しても国鉄で運びやすいように軽量化が強調されています)が、後継の74式90式10式はいずれも3メートル台前半の横幅となっています。

基準日

2016.07.31